ABOUT

人生が100年になるとしたら、
今のままで生きていけるだろうか。

ご存知のとおり、いま日本は超高齢化と人口減少に直面し、世界のどの国も経験したことのない未知の社会に突入しています。寿命は年々伸び、「人生100年」時代の到来も予想されている。そんな中、現状の社会システムのままでは、私たちの幸せは持続可能とは言えません。

「長寿を心から喜べる未来」を迎えるための条件とは何か。
それは、「個人」と「社会」、どちらも幸せになれる仕組みをつくること。技術を活用しながら個人と地域コミュニティのつながりを強くし、医療・介護に対する一人ひとりのニーズと社会の効率性を両立させること。

過ごすだけで、自然に健康になっている街づくり。
制度の垣根を超えた本人中心のサービスへ。
さらにはケア・テック・ベンチャーの拠点づくり、アジアへの介護教育など、これまでの医療・介護の境界線にとらわれない挑戦を始めます。

この最適解を見つけるのは、決して簡単なことではありません。しかし、「日本一元気な街」を自負している福岡がやらずに誰がやるのか。過去のやり方が通用しない時代だからこそ、発想の転換が必要です。

「福岡市健康先進都市戦略」は、福岡市から世界に対する問題提起とメッセージです。ここから、人生100年時代を見据えた健寿社会モデルを創っていきます。

福岡100の取組

人生100年時代に向けて

  • 福岡市はこのまま「元気な街」
    でいられるか?

    「福岡市は勢いがある、元気な街だ」これは実際に、福岡市についてしばしば語られる言葉です。

    人口155万人を超え、横浜市、大阪市、名古屋市、
    札幌市に続く日本で5番目の大都市。

    人口増加率は全国トップレベル。

    英国のグローバル情報誌「モノクル(MONOCLE)」が発表した「世界の住み良い都市ランキング 2016」では世界7位に選出。

    年間200万人の外国人が福岡から日本に入国。
    アジアの交流拠点都市として進化し続けている。

    ……こうして並べてみると、たしかに福岡市はいま、日本でもっとも元気な都市のひとつと言っていいでしょう。
    では、こうした福岡市の「勢い」や「元気」は、未来永劫続くものでしょうか?
    残念ながら、答えは「ノー」です。福岡市もまた、日本の他地域と同様、乗り越えなければならない大きな壁が目前に迫っているからです。

    とじる
  • 「大きな壁」とは、何か。

    現在、日本の大都市は高齢者の急速な増加、そして子どもや働く人の大幅な減少といった「人口構造の変化」に直面しています。
    福岡市のように全国第2位の人口増加数を誇る都市であっても、国勢調査の結果によると、直近5年間の人口増7万5千人のうち、生産年齢(15~64歳)の人口増加は、5千人にすぎません。次世代を担う14歳以下の子供の人口増加が1万人に満たない一方、65歳以上の人口増加は6万1千人と突出しています1
    また、高齢化率を見ると、2010年はわずか17.4%でしたが2025年には24.8%、2040年には31.0%、そして2050年には34.3%になると予測されています。
    これらの数字からわかるように、福岡市では税金や年金保険料を払う働く現役世代の数が増えないことで医療福祉財源が伸び悩むにもかかわらず、医療福祉の負担が急伸するという大きな問題を抱えることに なるのです。
    この問題に立ち向かい、明るい未来を拓くべく、福岡市は早急に抜本的な取組みを開始します。

    1. 年齢未回答者を、年齢回答者の年齢構成比で
      案分計算している
    とじる
  • 「人生100年時代」の到来?!

    日本が直面している超高齢化と人口減少は、世界のどの国も経験したことのないものです。
    つまり、これから何が起こるか誰も予測しえない「昔は」「普通は」という経験則が通用しない、何が解決につながるのかやってみないとわからない時代を迎えたのです。
    また、いまや日本の平均寿命は男性がおよそ81歳、女性は87歳。「人生90年」は目前です。
    さらに、人体メカニズムの解明による医学的知見の蓄積や医療技術の進歩などによって、100歳を迎えることが特別ではなくなる時代——「人生100年時代」の到来もあながち遠い未来ではないかもしれません。

    「高齢化」は、裏を返せば「平均寿命が延びている」
    ということです。長寿は本来、とても喜ばしいこと。それが社会システムのせいで叶わない未来は、絶対に避けなければなりません。

    例えば、福岡市は「高齢者の一人暮らし率が高い」という特徴を持っています。
    このまま高齢化が進めば、「倒れたときに誰が駆けつけてくれるのか」「近くに親戚もいないので不安だ」などの不安を抱えながら、長い老後を一人で暮らす方々が増えていくでしょう。
    これでは、「長寿を心から喜べる街」とは言えません。

    そうならないよう、福岡市は「人生100年時代」の到来を意識し、全国に先駆けて一人ひとりが心身ともに健康で“自分らしく”生きていける 持続可能な社会システム、そして、「長寿を心から喜べる街」を創りたいと考えています。

    とじる
  • 持続可能な「健寿社会」づくり

    持続可能な「長寿を心から喜べる街」が存続するためには、2つの条件があります。

    1つ目は「市民一人ひとり(個人)にとっても、個人が集う都市(社会)にとっても幸せであること」。これまでの医療や介護サービスは、ニーズを満たすという「個人」の幸せと、制度の支え手である「社会」の幸せが一致しないこともありました。
    なぜなら、医療・介護サービスをふんだんに使えることは「個人」にとって幸せでも、「社会」にとっては保険料や税金の負担という重荷になる側面があるからです。
    あるいは、「社会」にとって効率的な制度や仕組みをつくることで、「個人」の多様なニーズに応えきれなくなることもあります。「個人」と「社会」をいかに両立させて いくかは、避けては通れない大きなチャレンジです。

    そして2つ目は、「技術を活用しながらも、個人と地域コミュニティ(社会)のつながりを強固にしていくこと」。いま、世の中ではさまざまな技術が日進月歩で発達しています。近い将来、人工知能(AI / artificial intelligence)が医師の診察を補助したり、家や街なかにあるセンサーが人々の動きを見守り、 異常があると知らせてくれるような仕組みもありふれたものとなるでしょう。

    一方で、このような技術の発展がもたらす利便性は、人々のリアルなつながりを弱め、ときに社会から孤立させてしまう危険性もはらんでいることも忘れてはいけません。ICT2やIoT3の力と、家族や地域の人々による世話や気遣い(ケア)を、日々の暮らしや医療・介護サービスにいかにバランスよく取り入れるかが問われています。この2つの条件をクリアし、 健やかな個人と健やかな社会がうまくつながる持続可能な「健寿社会」を目指すことが、私たちの「生活の質」を高めることにもなるのです。

    では、なぜ私たち福岡市が率先してこの取組みに着手できるのか。幸いなことに、私たち福岡市にはいくつかの「武器」があるからです。

    国内の他の地域に比べ、
    高齢化が10年遅れているという“都市としての若さ”

    21大都市中3年連続1位の開業率4が物語る、
    “チャレンジを応援する環境”

    スリランカやクロアチアなどの一国と並ぶ、
    “市内総生産約7兆円の経済力”

    私たちには超高齢社会5を見据えた、大胆かつ先進的なアクションを起こすチャンスがあります。
    その取組みによって見つけた「解」で市民を幸せにするとともに、日本のほかの都市だけでなく高齢化に直面しているほかのアジア諸国にもその解を提供し、健寿社会をリードしていきたいのです。

    1. ICT:Information and Communication Technology
      (情報通信技術)の略称
    2. IoT:様々なモノが通信機能を持ち、インターネットを介して相互に通信することにより、遠隔計測、自動制御などが行われること。「Internet of Things」の略称
    3. 開業率:ある特定の期間における、既に存在していた事業所
      (または企業)に対する新規に開設された事業所(または企業)数の割合
    4. 超高齢社会:総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)が 21%を超える社会のこと。世界保健機関(WHO)によると、高齢化率7~14%を高齢化社会、14~21%を高齢社会という
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2025年を見据えた取組戦略

  • 戦略の策定

    これから保健医療福祉施策に求められる制度やサービスは、量的にも質的にもますます増大・多様化していくでしょう。一方で、行政が担う制度やサービス給付を拡大させていくには限界があります。これらの解決策を見出すためにはどうすればいいか。

    福岡市は、超高齢社会にあっても「生活の質」を高めていきたいという思いから、2016年6月に、すべての団塊の世代が75歳以上となる2025年のあるべき姿から逆算し、どのような手を打っていくべきかを記した「福岡市保健福祉総合計画」を策定しました。この中で、「 “配る福祉”から“支える福祉”へ」「 “支えられる側”から“支える側”へ」という理念を掲げ、政策に対する発想をこれまでとは大きく転換することを宣言したところです。
    この理念を、スピード感を持って具現化していくためには、行政施策を持続可能な制度や仕組みに再構築することにとどまらず、これまでの社会保障体制を規定してきた「パラダイム(価値規範や思想)」を大きく転換し、市民や企業、大学など幅広いプレイヤーの参画を得ながらその発想と手法を取り入れることが不可欠です。そして健康・医療・介護サービスはもちろん、住まいや地域づくり、働き方なども含めた新たな社会システムを構築していく必要があります。

    そこで私たちは、来たる超高齢社会に即した新たな社会システムづくりを加速させるためには具体的なアクションを推進する戦略が欠かせないと考え、『福岡市健康先進都市戦略』を打ち出すことにしたのです。

    とじる
  • 『戦略』が目指す3つのアプローチ

    前述の理念を具体化するために、私たちは以下のまったく新しい3つの面からアプローチしていきます。

    ひとりでも多くの市民のみなさんが、これから起こる問題を「自分ごと化」し、解決に向けて動き出すきっかけをつくる。

    医療や介護に直接関わる病院や介護施設の方のみならず、大学や企業の知恵や工夫を取り入れて進めていく。

    「大都市における超高齢社会」という未曽有の課題に対し、福岡市から日本全国、そしてアジアや世界に対して未来志向の「解」を示す。

    私たち福岡市は、これらのアプローチを掲げ、確実にアクションを実行していきます。

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『戦略』の3つの視点と7つの柱

「人生100年時代の健寿社会モデル」を創る最初の一歩として、
『戦略』では、3つの視点のもと7つの柱を立てました。

3つの視点
  • 「経験」から
    「根拠(エビデンス)」へ

    これまで医療・介護の分野では、その担い手である医療職・介護職の人々が専門的に磨き上げてきた“技”によってサービスが提供されてきました。また、保健福祉領域における施策も、長年の経験に基づいて決定されるのが一般的でした。
    しかし、今後はICTなどの技術の進歩によって医療や介護のデータが大量に集められ、分析され、活用できるようになります。有効な治療法だけでなく「どのような環境で暮らすと要介護になりやすいか」「どうしたら無理なく健康づくりができるのか」といったことまで、より的確に分かるようになるのです。
    個人情報保護に十分配慮しながら、データという“宝の山”を使った科学的根拠(エビデンス)に基づくサービス提供や施策づくりを行い、「真に必要なところに必要なサービス」を無駄なく提供できる仕組みを目指します。

    とじる
  • 一律の「ルール」から
    「多様性」の尊重へ

    現在の医療や介護の仕組みには一律の「ルール」があり、それが効率や公平性を高めています。しかし一方で、一人ひとりの暮らしや課題にルールが対応しきれていない現状があるのも事実です。画一的な対応をしていないか、制度の隙間に落ち込むニーズがないかなどの視点を持ってきめ細かく目を配り、あらゆる生活スタイルや人々に柔軟に対応できる仕組みづくりに転換していくことを目指します。

    とじる
  • 「分立」から「統合」へ

    これまでは、医学の進歩や生活上の課題に応じて制度やサービス類型が用意され、医療は医療、介護は介護、障がいは障がいといった仕組みが構築されてきました。
    しかし現在は、子育てや介護、病気、仕事などさまざまな問題が複雑に絡み合うケースが多く生じているのが実情です。財源や人材も限られる中で、個別バラバラにサービスが提供されるだけではなく、「本人」を中心にサービス、担い手、そして情報が「統合」される仕組みに転換していくことを目指します。

    とじる
7つの柱
全ての市民がケアに参加するまち
〜 科学的・体系的介護の実践と普及 〜
  • 概要

    介護は医学的な「看護」の側面と、「日常生活の支援」という側面とが一体となったサービスで、提供されるケアの質をどう測り、どのように高めていくのかといった方法論が確立されていません。「より良い介護とは何か」を示す科学的根拠(エビデンス)に乏しく、介護の担い手一人ひとりの経験や感覚に基づいて行われているのです。このままでは、今後、急激に増大する介護ニーズに対応するサービスの質を担保することは難しいでしょう。現状でも、すでに介護施設などでサービスを担う人手不足は深刻ですし、在宅で介護する場合も家族が負担に耐えられない、ほかの人とつながれず孤独になってしまうといった問題に直面しています。
    今後ますます人口減少が進む中で、より少ない担い手で増加するニーズに応えられるよう、テクノロジーをうまく活用して生産性を向上させるなど介護の負担軽減と質の向上が求められるでしょう。
    そこで、介護ケアの科学化・体系化を進め、エビデンスに基づいてケアの質と生産性の向上を実現し、専門職、家族介護者を始めとするあらゆる市民がケア技法を共有するとともに、認知症に対する理解を深めることで、認知症の人とその家族が安心して暮らせる地域社会を目指します。

    とじる
  • 現状と課題

    ケアを必要とする高齢者
    福岡市では、2025年の要介護高齢者は約10万人、認知症高齢者は約5.5万人になると見込まれ、いずれも2014年の2倍近い水準となっている。また、その後も増加し続けていくと予測されている。
    20歳以上の人で、自分自身が老後に寝たきりや認知症になるかもしれないと不安に感じる人の割合は約75%に上っている。

    高齢者を取り巻く環境
    福岡市では高齢者世帯の1/4が一人暮らし。
    介護人材6やコミュニティのつながり不足により家族介護の負担増大を招き、高齢者が安心して生活できる環境の確保が難しくなっている。

    ケアの体制
    福岡市では介護人材が不足している状況にあり、将来にわたっても供給不足が見込まれている。

    1. 介護人材:本戦略では、介護に関係する業務に従事する人のことを指す
    とじる
  • 取組の方針

    体系化された認知症ケア技法や認知症に関する基礎知識を、病院・介護施設の専門職員や家族介護者を始めとする市民と広く共有します。同時に、企業や市民など社会を構成するさまざまな主体がそれぞれの立場において認知症に係る支援的な取組みを推進することで、認知症の人や家族が安心して暮らせる地域づくりを推進します。

    認知症ケア技法の普及
    コミュニケーション・ケア技法のひとつで、認知症に起因する行動・心理症状を落ち着かせ、介護する職員の疲弊や燃えつきを軽減する等の報告がある「ユマニチュード」について、その効果検証と普及に向けた取組みを推進します。

    病院・介護施設へモデル導入するとともに、ICTの活用などによる施設内での自立的・効率的なケア技法の維持・向上に向けた取組みを促進します。

    家族介護者などが参加・習得しやすい簡易版プログラム教材の開発を支援するとともに、市民への普及・定着手法の確立とその実践に向けた取組みを促進します。

    領域・立場を超えて「自分ごと」とする巻き込み
    企業や市民など社会を構成するさまざまな主体が認知症に対する理解を深めるとともに、認知症の人やその家族のニーズに対してそれぞれの立場から支援的な取組みが推進される環境づくりを図ります。
    親など家族の介護が必要となる前の早い段階から、介護サービスの内容や利用の仕方、認知症などに対する理解を深める機会を創出して家族介護と仕事の両立に向けて備え、不安を解消する取組みを推進します。

    介護リテラシー8向上プログラム
    企業や職能団体などと共働し、40歳前後を対象とした介護リテラシー向上のための取組みを推進します。

    1. 介護リテラシー:介護サービスを使いこなす能力
    とじる
制度やサービスの垣根を超えるまち
〜 ケアする人/される人の
情報が統合されたインフラ整備 ~
  • 概要

    医療や介護などの社会保障制度は、サービスの対象となる人々の年齢や抱える課題に応じて制度が細かく分けられ、その都度必要な情報やサービスを探し、サービスの担い手を確保する必要がありました。
    しかし、病気や家庭問題など制度をまたぐ複雑な課題を抱えていたり、高齢になったりすると、必要な情報やサービスを探すのに手間がかかります。また、社会の担い手が減る中で、制度ごとに人手の確保が難しい事態も発生するでしょう。そこで、これまで年齢・課題・制度によって分断されてきた健康・医療・介護の情報、サービス、担い手を「本人」を中心に一元的に統合します。それにより、「なんとなく抱えている不安」や「ちょっと困ったこと」でもワンストップで相談できたり、「その人に適したレシピの提供」といった一人ひとりに合った新しいサービスを本人の意思に基づいて選択できる仕組みを目指します。

    とじる
  • 現状と課題

    情報の活用
    健康・医療・介護の情報やサービスはライフステージや分野ごとに分断されており、市民の受けるサービスの価値向上や最適化、効率化に活かされていない。
    医療機関間での患者情報の共有化や積極的な情報開示を希望する声は多い。
    現状では、市民が自分の情報を一元的に把握する仕組みがなく、医療や介護サービスを、「自分ごと」として能動的・主体的にデザインする機能が乏しい。

    とじる
  • 取組の方針

    地域包括ケア情報プラットフォーム9を基盤として、健康・医療・介護情報のワンストップ化を推進し、市民の主体的な健康づくりや医療・介護サービスの決定を促進します。

    医療・介護データの一元化と活用
    個人情報保護の観点に十分注意しながら、断片的に管理されていた医療・介護レセプトや健診、要介護認定情報などのデータを集約します。集約されたデータの分析により、地域における現状の見える化やライフログ10に基づく将来推計を図るとともに、エビデンスに基づいた施策の企画・立案を推進します。
    将来的には、本人の同意に基づいて一人ひとりの健康・医療・介護等のライフログデータを統合するとともに、健康・医療・介護分野の関係機関との間で情報を共有することで、市民個人ごとにカスタマイズされたさまざまなサービスや情報が提案・提供され、本人は自分の意思に基づいて容易に選択できる機能の実現を目指します。 また、集約したデータの分析結果を公開することで、民間事業者による新たなヘルスケア11サービス創出の促進を目指します。

    在宅を支える情報の共有
    要介護者の健診結果や訪問時の状態など、在宅支援に役立つ情報を家族や担当医、介護従事者、ケアマネージャー12等でシームレス(途切れのない状態)に共有することで、さまざまなサービスが一体的に提供される仕組みづくりを推進します。アプリケーション13やウェアラブルなセンサーデバイス(機器)を活用してバイタルデータ14の収集や管理を行うことで、本人による健康管理の促進や専門職からのアドバイス、自動監視による緊急時の家族等関係者へのアラーム通知などの実現を目指します。

    生活サービス情報の集約 医療機関、介護施設、高齢者住宅、民間企業やNPO15が提供する生活支援サービス16などの情報を集約し、市民生活に必要となる地域資源の情報を誰でも簡単に照会できる環境づくりを推進します。

    人生の最期まで自分らしくよりよく生きるため、本人や家族を含めた終活17を支援します。

    終活サポート
    療養や看取りなどに関する本人の意思を記録して、家族等と共有できる仕組みを提供することにより、人生の最期まで自分らしくよりよく生きるための前向きな意思表示とし、家族や医療機関とのコミュニケーションを促進します。
    本人が亡くなったときに葬儀の実施や残存家財の処分などを支援する仕組みを提供します。

    1. 地域包括ケア情報プラットフォーム:行政の保有する多様なデータを集約し、地域包括ケア(※)に係るニーズ分析を行うとともに、情報の共有による在宅医療・介護関係者間のシームレスな連携を実現するための情報通信基盤
      ※地域包括ケア:誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、病気になったり介護が必要になっても、地域において、医療や介護、生活支援などが一体的に切れ目なく提供されること
    2. ライフログ:人間の活動の記録(行動履歴)をデジタルデータとして記録すること、およびその記録のこと
    3. ヘルスケア:健康の維持や増進のための行為や健康管理のこと
    4. ケアマネージャー:要介護者の自立支援や家族等介護者の介護負担軽減のための必要な援助に関する専門的知識・技術を有する人で正式名称は「介護支援専門員」。要介護者や家族の依頼を受けて、その心身の状況や置かれている環境、要介護者や家族の希望を勘案して、介護サービス計画を作成するとともに、その介護サービス計画に基づいて介護サービス事業者との連絡調整等の支援を行う
    5. アプリケーション:コンピューター上で特定の作業をするために使用されるソフトウェアのこと。アプリケーションソフトウェア(application software)の略称で、アプリと略されることもある
    6. バイタルデータ:脈拍や体温、血圧などといった人の体から取得できる様々な情報や、歩く・走るといった人の動きに関する情報
    7. NPO:政府・自治体や企業とは独立した存在として、市民・民間の支援のもとで、医療・福祉、環境、国際協力・交流など社会的な公益活動を行う民間非営利組織・団体。法人格を持たない団体、ボランティア団体を含む。「Nonprofit Organization」の略称
    8. 生活支援サービス:介護保険の円滑な実施を促進するために設けられた、在宅の高齢者が介護に頼らずに自立した生活ができるように支援するために、市町村が行う保健福祉サービスのひとつ
    9. 終活:人生のエンディングを考えることを通じて自分を見つめ、今をよりよく、自分らしく生きる活動
    とじる
デジタル時代の医療サービスが
実現されるまち
〜 ICTを活用した
「かかりつけ医」機能の強化 〜
  • 概要

    具合が悪くなるとなるべく大きな病院に行き、検査をしてもらい、そして薬を出してもらう—。患者側が、こうした医療を求めてきたことは否めません。
    それによって、必ずしも必要ではない検査や薬が提供され、医療費の財政に負担をかけ、また医療従事者の時間が過度に費やされてきた可能性もあります。病気の診療だけでなく、日々の暮らしの中でどのように健康維持や病気の予防を行っていくかも今後の重要な課題となります。また、身体の機能が低下して通院が困難となっても、住み慣れた環境で療養ができれば、自分らしい普段の生活を継続することができるでしょう。その意味で、「かかりつけ医」の役割はますます大きくなり、地域に欠かせないインフラとなるでしょう。そこで、ICTの活用や民間企業との共働18等を進め、地域の医療介護に貢献する「かかりつけ医」機能の強化を図ります。

    1. 共働:複数の主体が、目標を共有し、ともに力を合わせて活動すること
    とじる
  • 現状と課題

    在宅医療19等の需要
    福岡市の在宅医療等の需要は、2025年には2013年と比べて約2.5倍の2.2万人に拡大すると見込まれている。効率的で質の高い医療提供体制の構築と人材の確保が求められる。

    看取り先
    福岡市は自宅で亡くなる人の割合が12.2%で、他地域と比べて少ない。(政令指定都市で少ない方から5番目)
    2025年には、看取り先が課題になる人が現在の約3.7倍に増加し、4人に1人は最期を迎える場所に困ると見込まれている。

    1. 在宅医療:通院が困難な場合等に、医師や看護師等の医療従事者が患者の自宅等に訪問し、医療サービスを提供すること
    とじる
  • 取組の方針

    ICTを活用した医療サービスモデルの開発や民間事業者との連携(共働)を促進し、「かかりつけ医」機能の強化を図ります。

    オンライン問診
    患者が医師に伝えたい内容を日常的に整理できることで主訴20の伝え漏れが防止され、医師側の事前の十分な情報収集と準備が可能となることで、診療時間の効率化や医療の質の向上を図ります。

    オンライン診療
    訪問診療に要する移動時間をより付加価値の高い活動に投下することで、医師の生産性の向上を図ります。
    患者の通院負担の軽減や、持続的な受診・内服が困難な患者との接点を維持することにより、治療からの脱落防止を図ります。

    情報連携システム
    個人情報に十分配慮しながら、家族との情報共有や医師・患者・家族の双方向コミュニケーションを可能とする仕組みの構築を図るとともに、定期モニタリングや受診支援を担う事業者も含めた「患者を見守るネットワークづくり」を促進します。

    1. 主訴:患者が医者に申し立てる症状のうちの主要なもの
    とじる
誰もが楽しみながら健康になれるまち
〜 健康を支える新たなサービスを生み出す
仕組み(ヘルス・ラボ)づくり 〜
  • 概要

    これまで健康づくりに関しては、全国各地でさまざまな取組みが展開されてきました。そうした取組みが健康づくりの空気感をつくり、仲間づくりにも大きく貢献してきたことでしょう。
    しかし、そうした取組みに本当に効果があったのか、その検証は十分だったとは言えません。また、「健康づくり」がやや強制的な色合いを帯びて奨励されるようなケースもあったかもしれません。
    これからは、エビデンスと最新の行動経済学21などの知見を活用するとともに、行政分野の枠を超え、あらゆる市民が「自然に」「楽しみながら」健康増進に取り組めるさまざまなサービスや仕組み、仕掛けが実装されるまちづくりを総合的・実験的に推進します。

    1. 行動経済学:人間が必ずしも合理的には行動しないことに着目し、伝統的な経済学ではうまく説明できなかった社会現象や経済行動を、人間行動を観察することで実証的に捉えようとする新たな経済学
    とじる
  • 現状と課題

    医療費の要素
    福岡市の医療費(国民健康保険及び後期高齢者医療費)の約4割は生活習慣病関連が占めている。

    要介護の原因
    福岡市の要介護状態になった要因は、男性の約4割を生活習慣病関連、女性の約3割をロコモティブシンドローム22関連が占めている。

    健康意識
    福岡市の特定健診受診率は全国市町村国保平均の6割程度の水準(平成25年:全国市町村国保平均38.5%、福岡市22.1%)にとどまり、政令市平均(26.8%)と比較しても受診率が低いなど、市民の健康リスクへの意識が低い。

    1. ロコモティブシンドローム:骨、関節、筋肉などの運動器の衰えによって生じる転倒骨折、腰痛症、関節疾患、骨粗しょう症などの症状のこと
    とじる
  • 取組の方針

    市民や企業、大学、行政による共働・共創23の場「福岡ヘルス・ラボ」を創設し、オープンイノベーション24により、市民の健康維持・増進や介護予防などに役立つ新たな製品やサービスの開発や実用化検証及び社会への実装を促進します。

    共創的イノベーション25の促進
    生活習慣病やロコモティブシンドロームの予防などの健康ニーズや社会課題に応じて、産学官民によるアイデアソン26などを開催します。また、ベンチャー企業から大企業まであらゆる企業の持つアイデアや製品、サービス、資金、人材と大学の持つ知的財産などのマッチングを行うオープンなプラットフォームを形成し、共創的なイノベーションを促進します。

    データの蓄積とエビデンスの確立
    無関心層を含めた多くの市民や医療・介護等の事業者、行政等が、企業の開発した新製品やサービスの実用化検証に参加することで、データの収集と蓄積を進めます。さらにデータ分析による健康寄与度の評価などに取り組むことで、新たなエビデンスの確立を目指します。

    1. 共創:自治協議会や企業、商店街、NPO、大学、行政などの様々な主体が、お互いの役割と責任を認め合い、相互関係・パートナーシップを深めながら、知恵や力を合わせ、長所や資源を活かして、共に協力し合って、地域の未来を創り出していくこと
    2. オープンイノベーション:外部の開発力やアイデアを活用することで課題を解決し、これまでにない価値を生み出すこと
    3. イノベーション:技術や制度の変革を利用して、新たな発想により、新たな商品やサービス、市場等を開拓すること
    4. アイデアソン:特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、それをまとめていく形式のイベント。
      アイデア(Idea)とマラソン(Marathon) を合わせた造語

    健康課題が「自分ごと化」され、自ら健康づくりに取り組むよう行動変容を促すだけでなく、意識せずとも健康に良い行動が誘発されるなど、生活習慣病やロコモティブシンドロームの予防を始めとしたさまざまな健康行動につながるさまざまな仕組みや仕掛けが健康に関心の薄い市民の日常生活にまで広く実装される取組みを推進します。

    健康リスクの見える化
    九州大学医学部による福岡県久山町27での疫学研究成果に基づき、市民が自分の健康診査データなどを活用して健康状態と将来の病気の危険性を認識できるとともに、健康アドバイスも受けられる仕組みを導入します。

    健康行動促進の仕掛けづくり
    特定健診が受けられる機会の拡大を図り、外出の際の「ついで受診」を可能とするなど、健康に関心の薄い健診未受診者の行動変容を促す環境づくりを推進します。
    国内外の大学との連携を図り、行動経済学や認知心理学28などにおける最新の研究成果なども積極的に取り込みながら、健康に関心の薄い層も含めて市民の健康行動が無意識的に誘発される仕掛けづくりを促進します。街なかのさまざまな資源を活用して街をまるごと健康づくりのステージとするとともに、インセンティブの仕組みを組み合わせて、健康行動を促す仕掛けづくりを推進します。

    健康志向メニュー開発・健康レストラン認証制度
    官民連携による健康志向メニュー開発や、健康づくりや食生活改善に配慮したメニュー・サービスに取り組む店の認証制度など、市民の健康的な食生活を応援するための取組みを推進します。

    1. 久山町疫学研究成果:生活習慣病に関する50年以上に及ぶ医学研究。糖尿病や心血管病、認知症などの原因と予防の効果が期待される運動や食事などの生活習慣の解明に取り組んでおり、生活習慣病予防への活用が期待されている
    2. 認知心理学:知覚・記憶・思考など人間の認知活動について研究する心理学の一分野
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多世代がつながり合い活躍するまち
〜 コミュニティでの多世代交流・
共働ネットワークづくり 〜
  • 概要

    福岡市では、小学校区ごとに公民館や
    社会福祉協議会29が設置されている等、地域コミュニティ活動はきめ細かく展開されています。
    一方で、コミュニティ活動の担い手の不足や固定化の課題も抱えています。
    「人生100年時代」を見据えれば、65歳以上を高齢者と一括りにするような考え方は変える必要があります。従来の「年齢によって社会的役割を決める」という発想から脱皮する段階に入ってきたのです。 そこで、性別や世代を問わず、一人ひとりの能力と意欲を可能な限り引き出し、コミュニティの中で「支え手」として活躍できる環境づくりを推進します。

    1. 社会福祉協議会:社会福祉法に基づく、地域住民及び公私の福祉機関、団体などにより構成された、「公共性」「自主性」をもった民間福祉団体。全国、都道府県・政令指定都市、市町村にそれぞれ設置されている
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  • 現状と課題

    就業意欲
    高齢になっても就業意欲は非常に高く、約7割の人が65歳を過ぎても働き続けたいと希望している。

    就業機会
    福岡市の65歳以上の有業率30は他都市に比べて低い(全国平均21.3%、福岡市18.3%)。また、男性に比べて女性はかなり低い(福岡市男性28.6%、福岡市女性11.1%)。

    新たなことに挑戦する意欲
    福岡市では、自分で起業・創業したいと考えたことがある人の割合は現役世代(20代~50代)が高い。特に、男性40代の4割強が自分で起業・創業したいと考えている。

    期待される分野
    地域コミュニティにおいて活動の担い手不足や固定化が課題となっており、新たな人材が求められている。
    介護が必要な高齢者を地域で支えていくため、コミュニティビジネス31などによってシニアが積極的に参加することが期待されている。

    1. 有業率:人口に占める有業者(ふだん収入を得ることを目的として仕事をしている者)の割合。ここでは、65歳以上人口に占める有業者(ふだん収入を得ることを目的として仕事をしている65歳以上の者)の割合を指す
    2. コミュニティビジネス:地域資源を活かしながら地域課題の解決を「ビジネス」の手法で取り組むもの
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  • 取組の方針

    コミュニティの中で世代を問わずゆるやかにつながり合い、地域の困りごとの解決に力を合わせて取り組む環境づくりを推進します。

    現役世代の地域活動デビュー
    企業や職能団体などと連携して地域活動に係る学習機会を提供するなど、現役世代(40代~50代)がスムーズに地域デビューできる環境づくりを推進します。

    地域の課題解決に取り組むコミュニティ
    性別や世代を問わず、地域住民がそれぞれの知識や経験、スキルを持ち寄って、ニーズの充足や困りごとの解決を図る仕組みづくりを推進します。

    子育て等を終えた人や現役時代に匹敵する時間を持つシニアが自ら新たなライフスタイルを発見し、社会参加活動や創業・就業を実現できるよう、気づきの段階から目標の実現まで一貫して支援します。

    総合サポート機能の導入
    現役世代(40代~50代)からシニアまでを対象に「人生100年時代」に応じた新たな価値観を発信するセミナーやイベント等を開催し、自分らしいセカンドライフづくりを促します。
    大学や専門学校等と連携するなど、社会参加のスタイルに応じて必要となるスキルや知識が習得できる環境をつくり、意欲や能力に応じた持続的な社会参加の機会創出を促進します。
    生きがい就業・ゆるやかな創業・ボランティアなど、社会参加意欲を実現していくための情報交換や仲間づくりの機会や場づくりを推進します。
    社会参加の意欲はあるが何をしたいのか明確になっていない人から、具体的なイメージやアイデアを持つ人まで、それぞれの段階に寄り添ってサポートする仕組みづくりやリーダー人材の養成を推進します。
    希望が多い業種の就労イベントを開催し、具体的な働き方のイメージと自身の適性を体験できる機会の提供を推進します。

    「R60倶楽部」の活用
    シニアがこれまで培った経験や技能、関心を活かして各種イベントの企画・運営を行うR60倶楽部を活用し、生きがい創業や就業に向けたビジネス・シーズの発掘と蓄積を推進します。
    R60倶楽部の活動事例を広く市民に紹介するとともに、優秀事例の表彰などによりシニアの社会参加意欲の喚起を促します。

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ケア・テック・ベンチャーの拠点となるまち
〜 健康・医療・介護とテクノロジーの融合・
イノベーション促進 〜
  • 概要

    福岡市は「スタートアップシティ」として幅広くスタートアップ(創業)の支援を行ってきましたが、潜在的成長力が高く、市民生活へも寄与してくれる健康・医療・介護分野の梃子入れはまだ十分とは言えません。健康・医療・介護など広い意味で人を「ケア」する分野は、安全性や効果に関するデータの分析など特有の課題を持っており、発展の余地を大きく残したまま足踏みしている状況が続いています。「ケア」の領域でチャレンジするスタートアップ企業を重点的に支援し、福岡市が「ケア・テック」という概念の発信地、育成支援の拠点となることに名乗りを挙げます。「ケア・テック」分野では、高齢者の異常を知らせるシステムや排尿を感知するセンサーなど、IoTやAI(人工知能)を含めた新たな動きが活発に出てきています。そうしたスタートアップ企業が福岡市で活動しやすく、また、現場のさまざまなニーズを常に汲み取れる環境をつくっていきます。

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  • 現状と課題

    日本のベンチャー投資額
    日本のベンチャー投資額はアメリカの2%であり、成長分野であるヘルスケア領域への投資割合についても、アメリカの半分以下(バイオ、医療、ヘルスケア分野投資割合:アメリカ26%、日本12%)に留まっている。

    専門家、医療・介護現場との接点
    「ヘルスケア産業」は医療・介護事業者、自治体等との連携が必要不可欠だが、関係者が集う開かれた「場」は少なく、閉鎖的な印象が強い。

    収益性の確保
    ヘルスケア、医療、介護の領域は、これまで「制度」に守られてきたため、通常の市場原理が機能してこなかった。
    新たな事業を立ち上げるための資金面での供給主体が少なく、地域金融機関からの資金供給も必ずしも十分ではない。

    データや地域資源情報
    参入市場を見極めるためのデータや、新たなヘルスケアサービス(「健康×食」「健康×観光」など)の創出に活用しうる地域資源に関する情報へのアクセスが困難。

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  • 取組の方針

    スタートアップカフェ32や実証実験フルサポート事業33などのスタートアップ支援関連施策や「福岡ヘルス・ラボ」とも連携しながら、健康・医療・介護分野の新たな技術「ケア・テック」の拠点として、スタートアップ企業や、市民、医療・介護事業者、大企業、大学、投資家による共創機会とエコシステム34の創出を図ります。

    アイデアソンの定期開催
    スタートアップ企業と市民、医療・介護事業者や大学、投資家などとの間で医療福祉ニーズや社会課題を共有し、製品・サービスの開発につなげていくためのアイデアソン(意見交換会)を定期的に開催。「ケア・テック」分野でのベンチャービジネスの交流を促進します。

    「ケア・テック・アライアンス」の創設
    スタートアップ企業と大企業、医療・介護事業者、投資家、市民がネットワークをつくり、制度・業界の縦割りを超えた実験的コラボレーションとスピーディな契約・投資を可能にする枠組みとして「ケア・テック・アライアンス(コンソーシアム)」を創設します。また、これらのメンバーシップによりケア・テックの開発・事業化を促進します。

    ケア・テック領域のスタートアップ育成
    スタートアップカフェやスタートアップ・セレクション35と連携しながら、新たなビジネスやサービスアイデアについて医療・介護関係事業者や大企業、大学、投資家をつなぐマッチングイベントを定期的に開催します。
    必要に応じて、特区(国家戦略特区)36を活用した規制緩和や分野ごとのガイドラインの策定、市民を巻き込んだクラウド・ファンディング37の活用などにより、スタートアップ企業の成長を促進します。

    ケア・テックのショーケース化
    ケア・テック・ベンチャーと通所介護38事業所(デイサービス)や介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)39などとの共働を促進し、ICTやIoTなどを駆使したケア・テックのショーケースの拠点を目指します。

    1. スタートアップカフェ:福岡市ではスタートアップの裾野を拡げるため、「スタートアップしたい人」や「スタートアップを応援したい人」などが気軽に集まり交流できる場である「スタートアップカフェ」を平成26年10月11日に開設
    2. 実証実験フルサポート事業:独自の技術やアイデアを活用した実証実験を全国から公募する福岡市の事業。優秀なプロジェクトについては福岡市での実証実験を全面的にサポート
    3. エコシステム:複数の企業・人材が商品開発や事業活動などでパートナーシップを組み、互いの技術や資本を生かしながら、開発業者・代理店・販売店・宣伝媒体、さらには消費者や社会を巻き込み、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組み
    4. スタートアップ・セレクション:スタートアップ企業から大企業まで、さまざまなステージにある企業が一堂に会し、ビジネスチャンスをつかむ福岡市主催のマッチングイベント
    5. 特区(国家戦略特区):日本の経済活性化のために、地域限定で規制や制度を改革し、その効果を検証するために指定される特別な区域のこと。福岡市は平成26年5月に「グローバル創業・雇用創出特区」として指定された
    6. クラウド・ファンディング:クラウド・ファンディング(CrowdFunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、クリエイターや起業家が製品・サービスの開発、もしくはアイデアの実現などの「ある目的」のために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募ることをいう
    7. 通所介護:デイサービスセンター等で、通所により入浴・食事の提供等日常生活上の世話、機能訓練を行う
    8. 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム):介護等の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う
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ケアの国際化を進めるまち
〜 外国人ケア人材養成と交流を
サポートする枠組み整備 〜
  • 概要

    福岡市はアジアに最も近い大都市として異国に開かれた気風が強く、医療機関も多いことから、世界の先頭を走る高齢化先進国として、「ソフトパワー40」であるケアのスキルを伝える潜在力を持っています。
    しかし、外国人に介護の現場で活躍してもらったり、逆に介護サービスや関連する産業を他の国々に展開していく取組みはまだ始まったばかりです。
    日本を追いかけて高齢化が進展するアジア諸国。その介護を担うリーダー候補生たちをコミュニティ全体で温かく受け入れ、介護分野での経験を共有し、学び合うことで、福岡市の介護の質の向上が図られるとともに、介護事業などさまざまなビジネスがアジアに進出する架け橋となることを目指します。
    また、介護現場で国際化が進み「介護」が「KAIGO」として福岡市と世界を橋渡しする共通言語になれば、介護現場で働く人々の刺激とやりがいにもつながっていくでしょう。こうした取組みを通じて、介護の世界でもアジアとの異文化交流が促進され、ひいては介護に意識の高い優秀な外国人材の確保につながることを期待しています。

    1. ソフトパワー:国家の魅力によって他国に影響を及ぼすことのできる力
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  • 現状と課題

    アジアの高齢化
    アジアの高齢化は日本を急激な勢いで追随しており、介護リーダ人材育成はアジア全体の今後の課題である。
    アジアの高齢化の進行スピードは日本と類似しており、超高齢社会のモデルとしての日本の取組みが期待されている。

    アジア介護人材受け入れ環境
    外国人の在留資格や外国人技能実習制度41の対象職種にそれぞれ「介護」が追加され、経済連携協定(EPA)42に加えて介護人材を受け入れる枠組みが増える。

    アジアへの地の利がある福岡市は、超高齢化へチャレンジし、アジアの介護人材育成・技術開発におけるリーダーシップを発揮することが期待されている。

    1. 技能実習制度:国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度
    2. 経済連携協定(EPA):2以上の国(又は地域)の間で、自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)の要素(物品及びサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野、例えば人の移動や投資、政府調達、二国間協力等を含めて締結される包括的な協定をいう。「Economic Partnership Agreement」の略称
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  • 取組の方針

    アジア介護人材が還流する環境づくりに向けて、産学官が連携してアジア諸国の介護リーダー人材の養成と母国での活躍を支援する仕組みの構築を図ります。

    アジア介護リーダー育成プログラム構築
    介護福祉士養成学校や病院、学識経験者などによるアライアンスを組織し、カリキュラムの基準設定や研修プログラムの認証スキームを整備することで、研修水準の質の担保を図ります。
    専門性やニーズに応じて選択可能となるモジュール型カリキュラムの設計などを行い、アジア諸国の看護大学や介護事業者からの派遣研修の受け入れを推進します。

    アジア介護人材の受け入れ支援
    滞在場所として空き物件やホストファミリーの紹介や、滞在中の日本語・博多弁の学習支援など受け入れ環境を充実し、介護知識の習得にとどまらず日本/福岡の文化も理解してもらいます。そうして、「福岡ファン」になってもらうことで交流人口の増加を図るとともに、優秀なアジア人材の確保による介護の質の向上を図ります。
    必要に応じて、特区を活用した規制緩和などにより、研修プログラムに参加しやすい環境づくりに取組ます。

    母国での活躍支援
    卒業後、帰国後も学び続けられるオンライン講座の提供や卒業生のネットワーク化を図ります。
    卒業生がブリッジ人材43として福岡市の事業者と連携し、アジア諸国において行う日本式介護サービスや関連商品等のマーケティング活動を支援する仕組みづくりを図ります。
    将来的に、アジア各国の大学や研究機関、病院等と連携し、帰国後の介護就業に役立つ独自の認定資格の創設を目指します。

    1. ブリッジ人材:海外現地の事情と日本国内の事情の両方に精通し、企業が新たに海外進出する際に、海外と日本のビジネスの架け橋となる人材
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福岡市の挑戦

ここで挙げた「7つの柱」は、来たる超高齢社会、そして長寿を心から喜べる未来に変えるための「チャレンジリスト」です。これは、行政だけではなく幅広いプレイヤーとともに新たな発想や手法を取り入れながら推進していくものであることから、中には試行錯誤を伴うものや、多くの人々の合意や協力が必要なものも含まれています。もちろん、必要があれば取組み内容や進め方を柱の方向性に沿いながら迅速かつ合理的に転換する機動性や柔軟性も重要となります。

福岡市は、これら「7つの柱」に伴う具体的なアクションを「社会にとっての必要性」「実現可能性」「社会的インパクト」を考慮しつつ、すぐに着手できるものはなるべく早く、検討が必要なものは綿密な計画を立てながら、順次スタートさせていきます。
そして、福岡らしさを大切にしながら、今後さらに多くの市民の皆さんとしっかり議論しながら、アジアはもとより世界に先駆けた成功モデルをつくって行きたいと考えています。これは老若男女のあらゆる福岡市民のみなさんに対してだけでなく、医療・介護に従事されている方々、それに関連する大学や民間企業の方々への問題提起とメッセージでもあります。また、福岡市の取組みに関心を持ってくれる人を、アジアだけでなく世界中から見つけていきたいと考えています。

この「戦略」に関心を持ち、協力してくださるという方は、ぜひ手を挙げて声を届けてください。

『人生100年時代』を見据えた、
持続可能な健寿社会のモデルを

みなさん、一緒につくっていきましょう!

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